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2010年 09月 09日
さて、今日取り上げるのは
早寝によるゲームの実況動画 「【実況】新卒採用持ってない奴が原子暗黒殿14(最終)」(自主製作,2010) からのひとことです。 プレイされているのは、同人サークル特殊装甲隊による『原子暗黒殿』(同人製作,2009)という東方二次創作SRPGなのだが、そちらについての説明は省く(なにしろ実況動画があるのだから、どのような作品か僕の方から解説する必要はないだろう)。 (フレーム使ってると↑のが観られないらしい。このブログだけ別窓で出す必要がある) この動画の面白さは勿論、プレイヤー=実況者の言語センス(喋り)によるところがまず大きい。 例えば、回復アイテム「お弁当」をキャラクターの1人である「早苗」に装備させる際の発言 今回、早苗さんが実は全然役に立たないので、あの、お弁当持たせてます。とか、敵を攻撃したら思いのほか防御力が高かった際の発言 でも、以外に硬いなあ。といったように。 しかし、それだけでなく、そもそも実況動画というものの特性がこの面白さを出しているのではないかと思う。 文章とスクリーンショットによって構成されたゲームレビューの多くは、プレイし終わった時点から振り返って書かれる。だから、「後から振り返ってみると特に大切でなかった部分」はレビューにおいて端折られる。意識的に書かないというだけではなく、書いている時にはもう忘れてしまっているという場合もあるだろう。 それに対して実況動画では、まさにゲームをやっている最中のプレイヤーの行動と発言が記録される。例えば、初めてやるゲームの初めてのプレイ(いわゆる「初見」)の実況動画では、手探り状態のプレイヤーの言動が描かれる。そこではゲーム攻略に当たって何が大切なのか/何が大切でないのかがまったく分からない。そんな状況下でのプレイヤーの試行錯誤こそが、実況動画の醍醐味でもある。 この動画においてもそうで、プレイヤー=実況者は常に焦ったり驚いたりしている。敵キャラの出現や、その行動や、そのステータスの高さ等々、次々と起こる予想外の出来事に対して、そのたびに戸惑い、興奮する。 そんな、プレイしている最中の細かな気持ちの揺れ動きを(観ている我々に対して)提示するというのが、ゲームレビューではできない点、実況動画のアドバンテージだ。そしてそれは、「ゲーム」の重要な要素である。 ゲームとは体験だ。プログラムとデータがロムの中で眠っている状態ではそれはまだゲームではない。人間が実際に体験して初めてそこでゲームになる。 そんな「体験としてのゲーム」を、実況動画は強調する。 それで今回取り上げたい発言が、12:06における ちょ、見えへん。だ。 ウヒラウヒラ笑いながらこの動画を観ていた僕は、急に出てきた上の発言を聞いて驚いた。驚いたというか、ほとんど感動したと言っていい。 どんな状況なのか。実際に観てもらった方が早いけれど、一応解説しておくと、ボスキャラのグラフィックがあまりにも大きすぎてその周囲に配置させた味方キャラが隠れて見えないため、画面視点をぐるぐる回転させて見やすい角度を探している……というそんな場面での発言だ。 何故、こんな地味な発言に僕は感動したのか。それは、この発言がゲームの「内側」だけでなく「外側」について述べているからだ。「外側」とはつまりインターフェースのこちら側である。 繰り返しになるけど、プレイしている人間が居るからこそゲームは存在する。「ちょ、見えへん」というのはそんな人間の側の事情だ。ゲームシステムにおいてはまるで関係ない。こういった「人間の側の事情」が表現できるのは実況動画ならではだ。 プレイしている我々が、画面の中の出来事にいちいち悩んだり喜んだり、あるいは指が疲れたり目が痛くなったり。そういうのを全てひっくるめて「ゲーム」だ。「システム」や「ルール」が抽象的な形でふわふわ宙に浮かんでいるわけではない。人間(の肉体)という具体的なモノがそこには必ず存在する。この発言が、そのことに気付かせてくれる。 * * * それから、コミックマーケット79には申し込みませんでした。断腸の思いです。 COMITIA94というのも考えたんですが、そっちもそっちで都合が付かず断念。うーん、どうしたものか(まあ取りあえずつくってから考えよう)。
by yama-shina
| 2010-09-09 08:51
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